古いパソコンが復活!
テレワークでも使える!?
windowsから無料OS、ubuntu(Linux)に乗り換えて、古いパソコンをまだまだ使い続ける方法
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少し古い、SONY VAIO(VGN-NS50B)をもらってきた。入っていたOSはとっくにサポートが切れているwindows vistaであった。
サポートが切れてしまったwindowsのパソコンは、windowsとしてはもう使いみちがないノートパソコンとも言えるが、実は、「Linux」としてはまだまだ十分に使えるパソコンであることを知らない人も多いのではないだろうか。
OSは最新のLinuxをインストールすれば、まだまだ使えるどころか、サクサク動くパソコンに大変身する。windows7のサポートが切れるから、windows10のパソコンを購入する、といった選択肢以外に、無料OSのLinuxに乗り替えて、まだまだパソコンを使い続けるといった選択肢を選ぶ方法もある。特にwindowsのサポートが切れる時は、パソコンの買い替え需要が多くなり、CPUの増産が追いつかず、新しいパソコンを注文しても納期が1ヶ月という状況もあるようだ。そんな時は、Linuxを活用するというのも選択肢の一つだと思う。
今回はLinuxとしては定番のディストリビューションである、「ubuntu」を入れることにした。
その前に、古いHDDから、最新のSSDに入れ替えることにした。
SSDに入れ替えなくても、今あるHDDにそのままubuntuをインストールすることは可能だが、その場合はHDDはフォーマットされるので、windowsも消えてなくなる。
今あるHDDは取り外して残しておけば、元のwidowsに戻すことはできる。
HDDにも寿命もあるので、どうせubuntuをインストールするならば、新品のHDDかSSDに入れ替えることをお勧めする。
ubuntuを使ってみてやっぱり元に戻したいときは、外したHDD(windowsのインストールされたHDD)に戻せば元通りである。
今回使用したパソコンは、HDDの換装は容易なタイプなので、簡単にHDDやSSDに入れ替えができる。

VGN-NS50BのHDDからSSDへの換装
HDDを交換、もしくはSSDへ換装というと、一部のマニアしかできないと思う人が多いと思うが、実は少し注意して作業をすれば、簡単にHDDの交換、もしくはSSDへの換装をすることができる。
SSDとは「ソリッドステートドライブ」といって、HDDのようにディスクではなく半導体メモリを使用している。HDDからSSDへ換装することで、読み書き速度が早くなるとされている。HDDと比較した場合、まだまだ高額ということもあるが、HDDをパソコンから抜いて、そのままSSDに交換・換装して使うことができる。
今回は古いノートパソコンにubuntuをインストールすることから、SSDに換装して使うことにした。SSDに換装することで、低スペックのパソコンでも普通に(使い方によってはそれ以上?)使えるようにすることを目標とした。

◯使用したパソコン
SONYが2008年10月に販売した VGNーNS50B

(スペック)
CPU  :ンテル Core 2 Duo P8400(2.26 GHz)
メモリー:DDR2 SDRAM、PC2-6400(800MHz)
ドライブ:約250GB(Serial ATA、5400回転/分)

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◯交換手順
バッテリーは外して、裏蓋のネジを全て外す。精密ドライバーを使用して、外す。ネジはどこにどのネジがはまっていたか分かるようにする。ネジの大きさが全て同じではないからである。又、ネジは大きさが同じであればどこにはめてもよいわけではなく、はまっていた場所との相性があるので、外した場合、ははまっていた場所に戻すのが基本である。自分の場合はテーブルに養生テープを貼って、そこに位置が分かるように外したネジをくっつけておいた。

◯精密ドライバーは日本製のベッセルを使うと安心である

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◯バッテリーを外す
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◯裏蓋を外したところ。体の静電気をなくすため、分解前には金属を触れておく。
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◯HDDを取り外して、SSDに換装する
HDDはネジ2本で固定されているので外す。左側にゆっくりとHDDをずらすと、容易にHDDは外れる。慎重にHDDを抜き取る。抜きったら金属のケースが4本のネジでHDDに固定されているので外して、代わりにSSDを装着して元に戻してネジで固定する。

◯矢印のネジを外す。
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◯取り出したHDD。HITACHI製であった。
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◯換装したSSD

crucial BX500(240GB) 2.5INCH
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*SSDもHDDと同じくノートパソコンとデスクトップで大きさが異なるので注意。ノートパソコン用は2.5インチを使用する。


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◯HDDがはまっていた金属のケースにSSDを入れ直して、元に戻す。
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ubuntuのインストール
SSDへの換装が終わったら、いよいよubuntuをインストールする。インストールは簡単で、インストール用のライブDVDを作成して、起動して指示の通りインストールを進めるだけである。
ubuntuはオープンソースなので、誰でも自由に、無償でインストールすることができる。更新も自由で、無償である。ここが、windowsと異なる点である。インストール用のISOイメージはインターネットからでも入手できるが、今は雑誌や本の付録としてもライブDVDは容易に入手できるので、自分でライブDVDを作ることができなくても、インストールすることはできる。

◯ライブDVDがよく付録で添付されている、代表的な雑誌


ライブDVDの作成
ISOイメージはUbuntu Japanese Team. (https://www.ubuntulinux.jp/home)から入手できる。
ここから、「Ubuntu 18.04 LTS 日本語 Remix」のISOイメージを入手した。
今回は富山大学(
http://cdimage-u-toyama.ubuntulinux.jp/releases/18.04.1/ubuntu-ja-18.04.1-desktop-amd64.iso)から入手した。
入手したISOファイルは、ubuntuならば「brasero」を使用して、windowsならば「ディスクイメージの書き込み」(ダウンロードしたISOファイルを右クリック⇒ディスクイメージの書き込み)でDVDに書き込むことができる。

(更新情報)
ubuntuの最新バージョンは23.10
LTSとなった.
最新のバージョンはここからダウンロードできる。
自分は18.04LTSからコマンドでアップグレードしてみたが、時間はかかる。

◯ライブDVDの挿入とBIOSの設定
ubuntuのインストールはライブDVDを起動する必要があるが、これは、windowsが起動した状態では起動できない(そもそも、SSDに換装してあるのでOSは入っていないが)。ライブDVDをDVDドライブに挿入した状態で、起動ボタンを押すとDVDから立ち上がるようにしなければならない。これは、BIOSの設定が必要。

◯BIOSを開く
パソコンの機種にもよるが、この機種は起動ボタン⇒F2連打でBIOSが表示された
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◯Boot Priorityから、「Select 1st Boot Priority」を「Internal Optical Disc Drive」に変更する。これで、起動ボタンを押すとまずはDVDを読み込むようにできる。
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*この状態でDVDドライブにライブDVDを挿入しておく


◯Save Changesを押して ShutDown
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◯起動すると、ライブDVDから読み込まれ、インストールの開始
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◯「ubuntuをインストール」を押す
インストールが開始される。wifiではなく、LANをつないでインターネットに接続しておいても大丈夫。自分の場合はLANで接続していた。「wifi ネットワークに今すぐには接続しない」にチェックすれば、wifiには繋がらない(後で設定はできる)。
後は、指示に従ってチェックして進んでいく。日本語表示なので特に迷わない。迷った場合はインターネットで「ubuntuインストール」で検索すれば、詳しい情報はだいたい入手可能。
「通常のインストール」を選択しておけば大丈夫。
「ubuntuのインストール中にアップデートをダウンロードする」にチェックを入れる。
「グラフィックスとWi-Fiハードウエア追加のメディアフォーマットのサードパーティ製ソフトウェアをインストールする」にもチェックを入れる。
「ディスクを削除してubuntuをインストール」にチェックを入れる(そもそも今回は新品のSSDに換装してある)。
「ディスクに変更を書き込みますか」は「続ける」を押す。
「どこに住んでいますか」は「Tokyo」とする。
「あなたの名前」には好きな名前(アルファベット)を入れて、パスワードを入れる。
*パスワードは必ずメモしておく。ログインやその後の認証に必要になるので重要!
「ubuntuへようこそ」の表示が出たら、後はインストールが完了するまで待つだけ。
これでubuntuのインストールは完了した!

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◯使用感
メモリはそのままでubuntuを色々使ってみたが、インターネット閲覧や、オフィスで文書作成も特に問題がない。
ubuntuに最初から入っているオフィスは、Libreofficeである。最初はマイクロソフトofficeとの違いに戸惑うが、遜色なく使えるし、互換性もある。
ただし、相互互換性は完全ではなく、表がずれたりレイアウトがずれる。この点は妥協が必要だろう。
どうしてもマイクロソフトofficeで作業が必要な場合は、web版の無料のofficeを使えばなんとかなる。
無料ではないが有料で購入するキングソフトWPS officeを使用する方法もある。
docファイルの読み込みは、LibreofficeよりもWPS officeの方が早いようである(30日間の試用版を使ってみた。有料版のインストールはしていないので、未検証)。


又、windows アプリを使用するにはwineのインストールも必要。wineを使えばwindowsアプリを使用する事も「なんとか」可能になる。
自分は普段使いにはubuntuの派生ディストリビューションであるLinuxmintを使用しているが、ブルーレイの動画を見るのは、ubuntuも、Linuxmintもどちらも難しいようだ。ここも妥協が必要(「K3b」を使えば、データの書き込みはできるし、保存したデータの読み込みも可能)。
完全にwindowsの代わりにすることはできないが、自分はLinuxが好きなので、工夫しながら妥協して使用しているが、それほど困ることはない。

◯ubuntu18.04のデスクトップ
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◯Libreoffice
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◯Libreofficeは日本語で表記されている。変換には慣れが必要だが、普段使いでは普通に使える。
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「日本語環境改善拡張機能」を入れるとを、Microsoft Officeに近い設定になるようで、入れた方がよいと思う。
「窓の杜」で入手することができる

Libureofficeを起動し、ツール⇒拡張機能マネージャー⇒追加⇒ダウンロードしたファイル(DefaultSettingsForJapanese.oxt)で日本語環境改善拡張機能を入れることができる。

LinuxにLibureofficeをインストールすると、MS明朝やMSゴシックなど、MSのフォントは使用できない。
IPAフォントをダウンロードすれば、明朝、ゴシックは使えるようになる。

ubuntuはスマホと同じように、必要なアプリを「ソフトウェアセンター」から基本無償でインストールができるので、音楽関係、写真編集、その他のアプリも自由に、そして更新も無料で使い続けることができる。そもそも、アンドロイドはLinuxベースということは、あまり知られていないかもしれない。使いやすいのは当然である。

◯ubuntuソフトウェアセンター
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Google Chromeもインストールできる。Google Chromeのホームページから、
64 ビット .deb(Debian/Ubuntu 用)」をインストールする。

又、今回インストールしたubuntu18:04LTSは長期サポート版で10年のサポート期間(2028年まで)である。
サポートが終わっても、新しいバージョンに無償で乗り換えることも可能。

ubuntuは起動もシャットダウンも早い。
windowsと違い、動きが軽いことにまずは感動する。
プリンターやその他USB機器との接続にはコツがいるが、その後の使用も特に問題なく、何よりも古いパソコンが蘇ったことに驚くことだろう。Linuxには数多くのディストリビューションがあるので、ubuntu意外のディストリビューションをインストールしてもよい。ちなみに、このブログは主にLinuxmintで作成している(ubuntuも併用)。

今回復活させた古いパソコンも、CPUもメモリもそのまま使用し、HDDのみをSSDに交換しただけであるが、反応も早く軽く、その使用感には改めて感動した。これが、10年も前のパソコンとは思えない。今後はメモリも交換してみようと思う。古いメモリはヤフオクでも格安で手に入る。メモリを交換すれば、さらに反応が早く、サクサク動くパソコンになることが期待できる!因みに、このパソコンは子供にあげる事にした。Linuxはコマンドでも操作することができる。むしろ、コマンドによる操作が標準なのかもしれない。コマンドを使えなくても操作はできるが、コマンドが使える方が、よりLinuxを楽しく使えると思う。子供がパソコンのことを学ぶには、ubuntuは適していると思う。